城崎温泉 御所の湯

城崎温泉の外湯巡りをしておると、自然と足が向く湯があるんじゃ。 それが**「御所の湯」**じゃな。 名前からして、どこか背筋が伸びるわい。 「御所」なんぞと聞けば、ワシら庶民の風呂とは一線を画す響きがあるからのう。

由来を知れば、なるほどと合点がいく。 昔、皇族ゆかりのお方がこの湯に入られたという言い伝えがあって、 そこから「御所の湯」と呼ばれるようになったそうじゃ。 城崎の外湯はどこも味があるが、ここは歴史という“重み”を背負っておるんじゃな。

建物に近づくと、その印象はさらに強まる。 どっしりとした構えじゃが、中に入ると意外なほど明るいんじゃよ。 大きなガラス屋根から光が差して、湯気がふわりと舞いよる。 例えるなら、昔ながらの日本家屋に、さりげなく現代の知恵を足したような感じじゃな。

浴場の奥に広がる庭園露天風呂がまたええ。 湯船に身を沈めれば、目に入るのは緑と石と空だけ。 派手な演出はないが、だからこそ落ち着く。 ここは写真を撮る場所じゃなく、黙って浸かる場所じゃよ。

湯は城崎らしいやわらかさじゃ。 刺激は少なく、体を包み込むような感触。 例えるなら、長旅でこわばった体を、ゆっくりほぐす職人の手のようなもんじゃな。 じんわりと疲れが抜けていくのがわかるわい。 外湯巡りの途中で立ち寄れば、歩き疲れた足腰が生き返るぞ。

御所の湯は、外湯巡りの中でも「節目」になる湯じゃと思う。 「さあ、もう一軒行くか」と気持ちを整えてくれる。 城崎温泉という町の格、歴史、誇りを、 この一湯でまとめて感じさせてくれる存在じゃな。

御所の湯 | 豊岡市観光公式サイト

城崎温泉街の7つの外湯の一つ。南北朝時代の歴史物語「増鏡」に文永四年(1267年)に後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯されたことから「御所の湯」と名付けられました。城崎…