隠居の湯治 大江戸温泉物語プレミアム城崎
城崎の入り口に佇む、大人のための特等席
城崎温泉といえば、大谿川(おおたにがわ)沿いに佇む柳並木のそぞろ歩きに、歴史を刻んだ七つの外湯めぐり。カランコロンと夜の湯の町に響き渡る下駄の音を聞くだけで、なんだか昔懐かしい、昭和の活動写真の一コマに迷い込んだような心地になる。あの風情ある古い湯の町は、わしも大好きな場所じゃ。関西の奥座敷として古くから文豪たちに愛されてきた街並みは、今も変わらぬ情緒を色濃く残しておる。
だが今回は、その城崎の入り口に、ちょっとばかり趣きを変えたモダンで乙な湯宿があることを教えよう。
その名も「大江戸温泉物語Premiumきのさき」じゃ。
「大江戸温泉物語」といえば、家族や仲間内で気楽にワイワイと泊まれる賑やかな宿として全国的に有名じゃが、ここは新しく打ち出された“プレミアム”シリーズのひとつ。これまでの気軽さはそのままに、「もう少し静かに、質の良いくつろぎを五感で楽しみたい」という、わしらのような酸いも甘いも噛み分けた大人に向けた、特別な宿になっとるんじゃよ。賑やかな日常から一歩離れ、静寂に身を委ねるには格好の隠れ家というわけじゃ。
贅沢な時間を紡ぐ「プレミアムラウンジ」
この「プレミアム」たる所以(ゆえん)、一番の目玉は何と言っても、宿泊客のためだけに用意された「プレミアムラウンジ」じゃな。
一歩足を踏み入れれば、そこは都会の喧騒とは無縁の別世界。到着した時、湯上がり、夕食後、そして枕元が恋しくなる寝る前……滞在中の好きな時間に何度でも利用できるこの空間には、本物の炎がゆらゆらと揺らめく暖炉を囲む、ゆったりとしたソファが設えられておる。レコード盤から流れてくるような、どこか優しい音楽に耳を傾けていると、日頃の小忙しさなどどこかへ吹き飛んでしまう。
そして驚くなかれ、なんとここではドリンクや甘味がすべて無料で振る舞われておるんじゃ。
サーバーから自分で注ぐ黄金色の生ビールに、地元の豊かな風土が育んだ地酒、香ばしい挽きたてコーヒー、さらには童心に返るようなカラフルなアイスキャンディーまでがずらりと並ぶ。夕暮れ時、湯の余韻にじわじわと浸りながら、冷えたビールをぐいっと喉に流し込む。……ふぅ、たまらん贅沢じゃろ? まさに昭和の旦那衆にでもなったかのような、極上の悦びがここにはある。
身も心もほどける、名湯の癒やし
さて、お次はお待ちかね、肝心の湯の話もしよう。
館内の大浴場は、城崎の名湯を贅沢にそのまま引いた、由緒正しいカルシウム・ナトリウム塩化物泉じゃ。古くから「湯治の湯」として数多くの旅人の傷と疲れを癒やしてきたこの湯は、関節痛や神経痛、万病の元となる冷え性にじんわりと効くとされている。肌に触れると、ピリピリとした刺激が少なく、まるで上質な絹のベールで包み込まれるように、体の芯の芯から温めてくれる。
湯上がりに肌を撫でてみれば、驚くほどしっとり。湯冷めしにくいのが特徴でな、冷え性気味だったわしの体も、この時ばかりは嘘のように軽くなり、随分と楽になったわい。
館内には「くるひの湯」と「げんぶの湯」という二つの大浴場があり、朝と夜で男女入れ替え制になっとる。夜は湯気に煙る幻想的な灯りのなかで、朝はパッと差し込む清々しい木漏れ日の中でと、一泊でまったく違う意匠と雰囲気を余すところなく楽しめるのも、心憎い演出で実に嬉しいポイントじゃな。
カランコロンと、外湯の街へ繰り出す
もちろん、ここでの楽しみは館内の湯だけでは終わらんぞ。この宿が素晴らしいのは、宿泊者全員に、街の「外湯めぐりパス」が無料で付いてくる点じゃ。
宿の極上湯を堪能した後は、お気に入りの浴衣に袖を通し、羽織を引っ掛けて、カランコロンと下駄の音を夜風に響かせながら街へ繰り出す。一歩外へ出れば、川面に映る街灯りと、どこか懐かしい温泉街の匂いが鼻腔をくすぐる。射的場から聞こえる歓声や、湯上がりの人々が行き交う景色を眺めながら、名物の七つの外湯を気向くままに巡る――。
宿の静寂に満ちた「極上湯」と、街の活気と歴史に触れる「外湯めぐり」、この両方を何ひとつ妥協することなく、贅沢にハシゴできるのが、この宿に泊まる最大の醍醐味というわけじゃ。
そして、外湯をめぐって心地よく腹が減ったら、お待ちかねの夕食よ。プレミアム版ならではの、趣向を凝らした豪華バイキングが旅人を迎えてくれる。
職人が目の前で豪快に、かつ丁寧に切り分けてくれるジューシーなローストビーフに、日本海と但馬の自然が育んだ季節の地元食材をふんだんに使った料理の数々。和食、洋食、中華と、目移りしてしまうほどずらりと並ぶご馳走を前にすれば、まさに“湯+食の一体体験”。目で楽しみ、舌で味わい、心も腹もこれ以上ないほど満たされて、一日の締めくくりとしては最高の一言に尽きるな。
豊かなくつろぎを叶える、大人の拠点
今回、自由爺としてしみじみと感じたのは、ここは「その土地の湯と風情を、ストレスなく、それでいて深く豊かに楽しみたい」という人にはうってつけの場所だということじゃ。
・静かにくつろげる暖炉のラウンジでの、至福の一杯 ・カランコロンと情緒に浸る、外湯巡りとの贅沢なセット ・大満足間違いなしの、質の高い湯とこだわり抜かれた食
これらがすべて手の届くところに揃った、気取らないけれど“ちょっと贅沢な温泉旅”が、ここなら何の手間もなく叶う。
湯にどっぷりと浸かり、そよぐ外の風に吹かれて、また湯に浸かる――。そんな城崎温泉の底知れない魅力を、余すところなく、自分のペースで味わい尽くす拠点として、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがかな? きっと、忘れかけていたおだやかな時間が、あなたを優しく迎えてくれるはずじゃよ。

ここにあるお話(養生草紙)は、すべてワシ個人の体験談やレビューや。お薬や治療の代わりになるもんやないからね。
体の調子がすぐれない時は、無理せんと専門のお医者さんの診断を仰ぐのが一番の養生や。自分の体を一番に大切にしてな。
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