釣り

太公望の戯れ
太公望の戯れ 第九話 爺、ルアーの値札に腰を抜かす

翌朝。 時計の針が九時を回ったあたりから、もう居ても立ってもいられんかった。十時の開店が、これほど待ち遠しくて仕方がないのはいつ以来だろうか。 カレンダーを何度も見返した遠足の日の小学生じゃ。いや、下手をすればあの頃の自 […]

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太公望の戯れ 第八話 爺、ルアー沼の入り口に立つ

夕暮れ時、にわかに涼しい風が吹き抜ける街並みを、五メートルもある長いタモ網を大真面目に抱えて歩く一人の爺がおった。はたから見れば少々奇妙な姿だったかもしれんが、本人の頭の中はそれどころではない。 我が家の玄関をくぐり、愛 […]

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太公望の戯れ 第七話 爺、宝の地図を広げる

加古川の河原でニゴイを一匹釣り上げ、すっかり気を良くした爺の、その後の奮闘記でございます。 ニゴイ一匹に気を良くした爺は、その晩も興奮冷めやらぬまま、夜更けまでパソコンの前に座り込んどった。いやはや、最近は本当に便利な世 […]

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太公望の戯れ 第六話 川には、まだ知らん魚がおった

加古川の河原でニゴイを一匹釣り上げ、すっかり気を良くした爺の、その後の頭の中を覗くようなお話でございます。 あの日の獲物は、正直に言えば本命の魚ではなかった。じゃが、手元に伝わったあのググッと力強い生命の脈動、そしてタモ […]

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太公望の戯れ 第五話 川は、答えを急がせんかった

机の上での宝探しから一転、足元に流れる巨大な大自然へと飛び込んだ、爺の新たな挑戦の始まりでございます。 夜な夜なパソコンの四角い画面と睨み合い、加古川周辺の釣り場を血眼になって調べ続けとるうちに、ワシはひとつ、あまりにも […]

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太公望の戯れ 第四話 変わってしもうたもん、変わらん気持ち

人生の荒波をくぐり抜けて戻ってきた水辺で、時代の移り変わりという名の、ちょいと切なくて厳しい現実の壁にぶつかった爺のお話でございます。 翌日。 昨日の、あのナイロン糸が鳥の巣のようにクシャクシャに絡まりまくった、バックラ […]

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太公望の戯れ 第三話 何も釣れんかったが、確かに何かを手にしとった

魚は一匹も釣れなんだのに、胸の奥底が不思議とホクホク温かくなった、爺とベイトリールとの、ちいとばかり不器用で愛おしい一日の記録でございます。 いやはや、参った。その日の加古川の河原は、朝から晩まで見事なまでの「バックラッ […]

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太公望の戯れ 第二話 釣りは、黙って待っとってくれた

長い長い人生の回り道を経て、ようやく懐かしい水辺へと帰ってきた、ある男の不器用な再出発の物語でございます。 あの熱狂的なバス釣り一色じゃった少年時代が過ぎ、大学へ行き、そのうち社会という名の荒波へ容赦なく放り出され、気が […]

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太公望の戯れ 第一話 出会い

白髪交じりの爺がまだ向こう見ずな少年じゃった頃の、胸の奥底がじわっと熱くなるような遠い日の記憶でございます。 あの頃の話をするとじゃな、どうも昔語りが溢れ出てきて話が長うなる。年寄りの特権ということで、まあ勘弁してもらお […]

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