ネスタリゾート神戸 十界の湯
温泉てぇのは、ただ体を温めるだけじゃあ野暮ってえもんです。 山や海、その風景ごと体に纏(まと)ってこそ、心の奥底までじんわり来る。 そんな粋な湯浴みを求めて、兵庫は三木、ネスタリゾート神戸にある「十界の湯(じっかいのゆ)」へ足を運んでまいりやした。
「十界」なんぞと仏教の難しい名前が付いてますが、要は「心と体を整える修行場」……いや、極楽ってことでさぁ。 木々に囲まれた入り口をくぐりゃあ、もうそこは別世界。森の湯巡りの始まりでござんす。
ここの一番の見どころは、大自然の中に点在する露天風呂の数々だ。 まずは大岩に囲まれた「岩風呂」。こいつはまるで山奥の秘湯に迷い込んだような風情がありやす。 そこからちょいと歩いて「寝湯(ねゆ)」へ。湯に体を預けて空を見上げりゃあ、まさに「湯と空が一体になる」心地よさ。ただ寝転がってるだけで、天下を取ったような気分になれやすぜ。
さらに森の小道を進むと、四方を木々に囲まれた「杜乃湯(もりのゆ)」がお出迎えだ。 聞こえるのは野鳥のさえずりと、風が木々を揺らす音だけ。俗世の雑音は一切なし。 体だけじゃなく、五感すべてが自然に溶け込む……自由爺も長年湯に浸かってやすが、これほど自然と一つになれる体験は初めてでござんす。
もちろん、露天だけじゃありやせん。内湯も広々として快適だし、サウナや岩盤浴も揃ってやがる。 熱いのと冷たいので体を刺激すりゃ、血の巡りが良くなって「整う」ってえ寸法だ。ただ湯に浸かるだけじゃ味わえねぇ、極上の骨休めでさぁ。
ここはリゾートの中にあるんで、湯上がりの飯も景色も格別だ。 日帰りでふらっと行けるのに、都会の喧騒を離れて、山里の秘湯に来たような満足感がありやす。 古い湯治場もいいですが、こういう「森の温泉遊園地(てーまぱーく)」みてぇな趣向も、新しい湯の楽しみ方ですな。
湯上がり、火照った肌に森の風が優しく吹き抜ける。 「ああ、ここに来てよかったな」 そう独りごちて、自由爺はゆっくりと森の道を後にしたとさ。
