養生草紙 第二十四巻:おかえりと青い器、慣れという名の再会 (一時外泊を終えて再入院)
いやはや、とうとう戻ってきてしもうた。二度目の入院初日じゃ。 いやはや、とうとう戻ってきてしもうた。二度目の入院初日じゃ。 住み慣れた我が家の縁側で播州の心地よい初夏の風に吹かれ、村上春樹の分厚い本をめくりながら家族と他 […]
養生草紙 第二十三巻:普通という名の贅沢、再戦への刺身一切れ (自宅寮中の嬉しい食事)
十日間の自宅療養、そして第二の戦いへ いやはや、十日間の自宅療養というのは、本当に瞬きする間もなく過ぎ去ってしもうた。 白一色の城から、夢のような一時帰宅の許しが出たのが十日前。主治医の先生から「治ったわけやありませんよ […]
養生草紙 第二十二巻:舞い上がる心、即答の「今日から帰ります!」 (一時退院 外泊許可の喜び)
いやはや、人生捨てたもんやないな。 いやはや、人生捨てたもんやないな。 あの青々とした坊主頭で白一色の城に乗り込み、手首から肩の奥へと伝わるお薬のひんやりとした冷たい感覚に「いざ、大戦(おおいくさ)の始まりじゃ」と奥歯を […]
養生草紙 第二十一巻:手のひらの魔法、退屈を溶かす「つながり」 (病床でのスマホ活用 繋がり)
いやはや、抗がん剤の初陣から一週間。 いやはや、抗がん剤の初陣から一週間。 あの地獄の喉元の攻防を強いた気管支鏡や、無機質な音が響き渡る電脳からくりに追われた検査の日々。そして「余命二年」という無慈悲な審判を経て、ようや […]
養生草紙 第二十巻:抗がん剤と放射線、拍子抜けの初陣 (化学療法、放射線療法の同時治療)
いやはや、案ずるより産むが易しとは、まさにこのことじゃな。 いやはや、案ずるより産むが易しとは、まさにこのことじゃな。 昨日の今頃は、初めての抗がん剤投与を前に緊張感マックス、喉の奥がキュッと縮こまるような思いをしており […]
養生草紙 第十九巻:水責めと暇の地獄、夜空への強がり (点滴中の保水 持て余す時間)
いやはや、長い。とにかく長い、ながーい点滴じゃった。 いやはや、長い。とにかく長い、ながーい点滴じゃった。 朝飯をしっかり平らげ、先生と看護師さんから「最近の薬は進化しとるから昔ほどひどい吐き気は出ませんよ」と詳しい説明 […]
養生草紙 第十八巻:腕を伝う冷たい覚悟、抗がん剤の進軍 (初めての抗がん剤治療 開始)
いやはや、ついにこの時が来てしもうた。 いやはや、ついにこの時が来てしもうた。 あんなにワシの行く手を阻み、合格ラインの120が雲の上の存在に見えていた血糖値の壁を、インスリンという相棒のおかげでようやくクリアしたのが昨 […]
養生草紙 第十七巻:開かれた門、明日への進軍 (本格的にがん治療開始)
いやはや、今日は最高にめでたい日じゃ! いやはや、今日は最高にめでたい日じゃ! 朝一番にパチリと病室の蛍光灯が灯った瞬間から、今思えば何やら良い風が吹いていたのかもしれやせん。カーテンをシャッと開けて「今日はよい天気です […]
養生草紙 第十六巻:カーテンを開ける笑顔、当たり前の言葉 (寄り添う言葉のありがたさ)
いやはや、人間というもんは現金なもんじゃな。 いやはや、人間というもんは現金なもんじゃな。 昨日は「担当の看護師さんにほったらかしにされとる!」「ワシのことなど誰も気に留めちゃいねぇんじゃなかろうか」なんて、白いカーテン […]
養生草紙 第十五巻:看板倒れの担当さん? 病院の七不思議 (主治医や看護師とのコミュニケーション)
いやはや、入院して一週間。 いやはや、入院して一週間。 「血糖値が高い」という分厚い壁のせいで、インスリンの単位が二、四、六と増えていくのを眺めながら、ただただ停滞の時を過ごした五日間。それからさらに二日が経ち、ようやく […]
養生草紙 第十四巻:止まった時計と、高止まりの数字 (治療前の血糖値コントロール)
スタートできん いやはや、参った。気合を入れ直して頭を丸め、家族や職場の仲間に見送られながら「いざ、抗がん剤との戦いじゃ!」と意気揚々と入院したものの、肝心の治療がスタートできんのじゃ。 昨日や一日の辛抱なら、まだ「出端 […]
養生草紙 第十三巻:出端をくじかれた朝、心の癖とインスリン (初めてのインスリン)
出端をくじかれた二日目の朝 いやはや、入院二日目の朝。 前夜にあれほど腹一杯に詰め込んだ馴染みの焼肉の脂も、そして屋上の公園で播州の冷たい夜風に吹かれながら見つめた白い天井の冷たさも、一晩が経ってようやくワシの身体の一部 […]
養生草紙 第十二巻:白い天井、止まった時計と屋上の風 (孤独感と気分転換)
入院初日の午後、時計の針は止まったかのように いやはや、入院初日の午後というのは、どうしてこうも時間が進まんもんじゃろうな。 お昼時までは看護師さんの矢継ぎ早な説明やら、血液検査、レントゲンといった電脳からくりのハサミ撃 […]
養生草紙 第十一巻:青い器と静まり返った城、予期せぬ入院生活 (入院初日と病院の風景と雰囲気)
ついに「その日」が来てしもうた。 いやはや、ついに「その日」が来てしもうた。 前夜にあれほど腹一杯にかき込んだ焼肉の脂の温もりが、まだ胃の腑の底に残っているような、いないような、なんとも落ち着かない気分のまま朝を迎えやし […]
養生草紙 第十巻:はち切れんばかりの焼肉、明日への誓い (入院前の最後の晩餐)
入院前夜の御馳走 いやはや、いよいよ入院前夜じゃ。 カレンダーを睨みつけながら「あと何日、あと何時間」と数えていた日々も、ついに終わりを迎えやした。明日の朝には、あの白一色の無機質な世界へ足を踏み入れ、しばらくは娑婆(し […]
養生草紙 第九巻 覚悟の坊主頭、鏡の中の「よし大丈夫」 (気合い 決意)
髪を落として、覚悟をまとう いやはや、いよいよ入院を明後日に控えてな。 カレンダーの数字が近づくにつれ、家の中の空気もどこかそわそわと落ち着かなくなってきた。荷造りはとうに済ませ、愛用の道具たちもしばしの留守を預かるよう […]
養生草紙 第八巻:情けは人のためならず、涙の辞職願 (素晴らしい上司と同僚たち 周りに感謝)
人生の崖っぷちに立たされた時、人の温かさがこれほどまでに身に染みるとは思わなんだ。 いやはや、人生の崖っぷちに立たされた時、人の温かさがこれほどまでに身に染みるとは思わなんだ。 医師から「余命二年」という無慈悲な宣告を受 […]
養生草紙 第七巻:病院のベンチ、涙の許し (こぼれ落ちた涙)
診察室の空気、ベンチの沈黙 いやはや、診察室の空気というのは、どうしてあんなに冷たく、重たいもんなんじゃろうな。 壁に掛けられた時計の針の音だけが、やけに鋭く鼓膜を突いてくる。ワシひとりが医師の前に座り、「余命二年」とい […]
養生草紙 第六巻:余命二年の審判、凍てつく身体 (医師からの余命宣告)
人生には、言葉というものが全くの「無力」に変わる瞬間があるもんじゃな。 いやはや、人生には、言葉というものが全くの「無力」に変わる瞬間があるもんじゃな。 前夜のあの張り詰めた静寂から一夜が明け、ワシは昨日と同じ診察室の、 […]
養生草紙 第五巻:九時間の静寂、父の背中と重なる夜 (診断結果が出る前日)
審判の前夜 いやはや、人生には時折、しんと静まり返って、自分の心臓の音だけが大きく聞こえるような夜があるもんじゃな。 一通りの検査を終えて、いよいよ明日は医師からの「審判」が下るという、その前夜。いつも通りに夕飯を済ませ […]
