美湯松帆の郷
淡路島の北の端、小高い丘の上に「美湯 松帆の郷(びゅー まつほのさと)」てぇ粋な名前の湯処がありやす。 ここは単なる風呂屋じゃござんせん。目の前にドーンと「明石海峡大橋」を望む、絶景の温泉リゾートでさぁ。 せっかく淡路島まで来たんだ、「海を見ながら湯に浸かりてぇ」なんていう爺のワガママを、見事に叶えてくれる場所でげすよ。
ここの湯は「天然ラドン温泉」。 難しい能書きはさておき、要は体に効くってぇことだ。神経痛に筋肉痛、冷え性……爺のガタがきた体(こり)をじんわりほぐしてくれる。湯に身を任せて海風に当たりゃあ、体だけじゃなく心の皺(しわ)まで伸びるような感覚でさぁ。
一歩入れば、目に飛び込んでくるのは広い空と、雄大な橋の姿。 昼は青い海と橋を眺め、夜はライトアップされた橋と神戸の夜景を楽しむ。季節や時間でコロコロと表情を変えるのも、この湯の憎いところでさぁ。
内湯も洋風・和風と趣向を凝らしてて、泡風呂だの打たせ湯だの、種類も豊富だ。サウナでひとっ風呂浴びて、水風呂でキュッと締める。その後、露天で波の音を聞きながら涼めば、まるで海と一体になったような気分になれやすぜ。
これだけの絶景で、木戸銭(料金)は八百円そこそことくりゃあ、文句なしだ。 駐車場も広くてタダ、淡路の入り口(IC)からもすぐと来てる。旅の途中にふらりと寄れるのが嬉しいじゃござんせんか。
湯上がりには、併設の飯処で腹ごしらえと洒落込みましょう。 淡路の牛丼に、生しらす丼。地元の旨いもんを食らって、湯の余韻に浸る。観光と食と湯、これらを一度に味わうのが、淡路島ならではの贅沢ってもんでさぁ。
自由爺がここで一番心に残ったのは、「湯そのもの」と「景色」の合わせ技だってこと。 上質な海風と光、静かに漂う湯気。 湯に浸かってる自分まで、景色の一部になっちまったような錯覚を覚えやす。 浮世の喧騒を忘れて、ただぼんやりと空と海を眺める。 そんな極上の「何もしない時間」が、ここには確かにありやした。
