有馬街道温泉 すずらんの湯

神戸の街を抜け、有馬の湯へ向かう街道沿いに、ひっそりと、だが凛と佇む「有馬街道温泉 すずらんの湯」。 ここは単に「ひとっ風呂浴びる」だけの場所じゃござんせん。 自然を感じ、季節を浴び、湯そのものをじっくり味わう。そんな風流な日帰り湯治場でさぁ。

まず度肝を抜かれるのが、神戸一とも言われるご立派な「庭園露天風呂」だ。 大きな湯船の先には、手入れの行き届いた庭が広がり、春の新緑、秋の紅葉と、四季折々の顔を見せてくれる。 湯に首まで浸かり、ふと目を外に向ける。するとどうでさぁ、まるで深い森の中に分け入ったような開放感に包まれやす。

湧き出る湯は、地下千百メートルからの授かりもの、弱アルカリ性の単純温泉だ。 肌へのあたりが柔らかく、世間じゃ「美肌の湯」なんて呼ぶそうで。 爺の枯れた肌も、湯上がりにはほんのりスベスベになりやす。体もしっかり温まって湯冷めしにくい、実にいい湯加減でさぁ。

ここは露天だけじゃねぇ。内湯の設備も充実してやがる。 特にサウナは、「宮水(みやみず)」てぇ名水を使った蒸気浴(ロウリュ)や、香草の香りを楽しむハーブサウナがありやす。熱と水のリズムで血の巡りを良くする……若ぇ衆が言う「整う(ととのう)」ってやつを、爺も実感できやした。

面白いのは、温泉と「名水」の両方を味わえるってことでさぁ。 温泉の優しい温もりと、六甲の名水「宮水」の清涼感。この二つの恵みを一度に楽しむなんざ、バチが当たりそうな贅沢だ。

数年前に普請(ふしん)し直して(リニューアル)、屋敷の中も外も綺麗になりやした。 特に嬉しいのが、露天に設けられた「畳の寝床」だ。 風呂上がりにゴロリと横になり、季節の風に吹かれる。これぞ極楽、まさに「整い処」でござんす。

館内には旨い創作料理を出す飯処もあるし、三宮から車で一刻(15分)てぇ近さも魅力的だ。 ふらっと行って、極上の湯と飯にありつける。

自由爺が思うに、ここの良さは「湯と自然の一体感」に尽きやす。 庭の緑、湯の柔らかさ、サウナの熱気、そして風。 すべてが一つになって、心と体に染み渡る。 浮世の喧騒を離れ、自然の中で自分と向き合いたい御仁には、ここをお勧めいたしやすぜ。