赤穂温泉 銀波荘
兵庫の西の果て、瀬戸内の国立公園にその宿はありやす。 赤穂温泉「銀波荘(ぎんぱそう)」。 ここは「絶景露天」の名所として知られた場所。海と湯が一つになる、そんな夢のような湯浴みができる名湯でさぁ。温泉好きを自負するなら、一度はこの「海とつながる湯船」で、浮世の垢を洗い流さなきゃ嘘でござんしょう。
ここの湯は、赤穂の土地らしく塩気を含んだ「カルシウム・ナトリウム–塩化物泉」。 熱を逃がさねぇ「熱の湯」でして、冷え性や節々の痛み、爺のくたびれた神経にもじんわり効きやす。肌触りも柔らかく、湯上がりは肌がスベスベになるってんで、「美肌の湯」なんて評判も高いようで。
銀波荘で忘れられねぇのが、瀬戸内をぐるりと見渡す「天海の湯(てんかいのゆ)」だ。 湯船に浸かると、海と空との境目が消えちまう。まるで、海そのものに浸かっているような不思議な感覚でさぁ。 晴れた日には遠く小豆島や四国の島影が見え、日の出や夕焼けを拝みながら湯に浸かる……これぞ隠居の極楽、贅沢の極みでげすよ。
内湯もまた、趣(おもむき)がありやす。 自然の岩肌をそのまま活かした大浴場「岩海の湯(がんかいのゆ)」は、迫力が違いやす。 潮風と岩の温もりが湯に溶け合い、体だけじゃなく、心の奥の凝りまでほぐれていくようだ。 時間帯で男湯と女湯が入れ替わるんで、日帰りでも泊まりでも、違う風情を楽しめるのが嬉しいじゃござんせんか。
そうそう、蒸し風呂(サウナ)も忘れてはいけねぇ。 しっかり汗をかいて、水で締める。湯と熱と風を交互に感じれば、シャキッと体が蘇りやす。 木戸銭(料金)はちと張りますが、手ぶらで行ける気軽さと、この絶景を思えば、安いもんでさぁ。
自由爺としては、ここの湯を「単なる湯浴みじゃねぇ、海との対話」と呼びてぇ気分だ。 朝日が海を照らす中、ぼんやりと湯に浸かる。 赤穂は塩の町。湯上がりに潮風に吹かれ、御崎(みさき)を散歩して、旨い魚を食らう。 湯だけでは終わらねぇ、五感で味わう瀬戸内の癒やし旅が、ここにはありやすぜ。
