隠居の湯治 エクシブ白浜
紀伊の国の極楽 ── 白浜の高台に佇む「エクシブ白浜」
兵庫の我が家からちと足を延ばし、紀伊の国は南の果て、真っ白な砂浜と紺碧の海がどこまでも広がる南紀白浜へ行ってきやした。車を走らせて海岸線を抜けていくと、窓からは太平洋のダイナミックな潮風が吹き込んできて、それだけで旅情が嫌増してそそられやす。
ここは飛鳥や奈良の昔から万葉の皇族たちも湯治に訪れたという、「日本三古湯」なんぞと呼ばれる由緒正しき歴史ある湯処。古くから数多の旅人の疲れを癒やしてきた名湯の郷でさぁ。そんな白浜の街を見下ろす小高い高台にどーんと立派に構えるのが、会員制の格式高いお屋敷、「エクシブ白浜」でござんす。高台ならではの澄んだ空気が、到着した瞬間から爺の心をすぅーっと解きほぐしてくれやす。
千年の名湯と多彩な湯殿
この宿の最大の自慢は、なんと言っても白浜の由緒ある名湯を贅沢に引き込んだ、見事な湯殿(ゆどの)にありやす。
衣服を脱ぎ捨てていざ湯殿へ足を踏み入れれば、そこは旅人の楽園。千年以上も大地の底から湧き続け、歴史を刻んできた名湯は、肌に触れた瞬間にツルンとした滑らかさを感じるほど肌あたりがどこまでも柔らかい。湯船に肩までどっぷりと浸かれば、南紀の眩しい太陽と心地よい潮風、そしてこの極上の湯の温もりが、日頃の小忙しさで凝り固まった爺の体を骨の芯からじわじわとほぐしてくれやす。「あぁ……」と思わず深い吐息が漏れてしまう、あの至福の瞬間は何度味わっても良いものでげす。
ありがたいことに、「エクシブ白浜」と、隣り合う「アネックス」の湯処は、広々とした内湯に開放的な露天風呂、じっくり汗をかく蒸し風呂(サウナ)に肩こりに嬉しい打たせ湯と、実に多彩な湯船が揃っておりやす。最近の若い衆は横文字で「うぇるねす」なんて言うそうですが、要は「心と体の健康と養生」をトータルで考えた、至れり尽くせりの造りになってるんですな。内湯でじわっと体を温め、外の涼しい風に当たりながら露天へ向かう……そんな気ままな「館内湯めぐり」を洒落込むのも一興でさぁ。
空飛ぶ乗り物と湯面の競演
なかでも、露天風呂からの眺めがまた格別でしてな。大きな湯船の先には、白浜の緑豊かな山並みに青い海、そして季節ごとにコロコロと万華鏡のように表情を変える広い空の色が一望できやす。冬になれば山あいの風情ある紅葉を映し、夏になればどこまでも高い青空を鏡のように映し出す湯面。ただ湯に身を委ねて景色を眺めているだけで、贅沢な時間がゆっくりと流れていきやす。
さらに、ここならではの面白い見どころが、白浜の空港が目と鼻の先だってぇことだ。湯船でぼんやりとくつろいでいると、時折、ゴーーッというお腹に響くような音とともに、大きな飛行機がすぐ近くをダイナミックに離着陸するのが見えやす。
湯にどっぷりと浸かりながら、大空を優雅に舞う空飛ぶ乗り物を眺めるなんざ、他所じゃあ滅多にお目にかかれねぇ「湯と空の壮大な競演」とでも言いますか。なんとも不思議で、乙なもんでござんしょう?童心に返ったように、ついつい目を細めて飛行機を追いかけちまいやすぜ。
隠居のサウナと、リゾートの余裕
そうそう、最近流行りの「サウナ」の設備も実に充実してやすぜ。じんわりと身体の深部を温める遠赤外線サウナや、きめ細やかな潤いに包まれる霧のサウナで時間をかけてじっくりと良質の汗をかき、その後に水風呂や湯船へドボン。滞っていた血の巡りがみるみる良くなって、頭の先から足の裏まで体がポカポカとしやす。
若い衆はこれを「整う(ととのう)」なんて言って喜ぶそうですが、あっしら隠居にとっても、これが極上の極楽であることに変わりはありやせん。世間で「数あるエクシブの中でも上位の湯処だ」なんて高い評判が立っているのも、なるほど伊達じゃねぇようで、温泉うるさがたの自由爺もこれには深く納得でげす。
さらに気が利いてるのが、この立派な湯殿が客室とは別の独立した棟にあって、日帰りでもすっきりと使いやすい動線になってる点だ。家族連れでにぎやかに訪れようが、手ぬぐい片手にふらっと気ままな一人旅だろうが、自分の気が向いた時にいつでもふらっと極上の湯に浸かることができる。これぞまさにリゾートが持つ大らかな余裕であり、わしら隠居の最高の贅沢ってやつでさぁ。
海湯と湯風景が作り出す、極上の癒やし
今回、しみじみと感じ入ったのは、ここは古い湯の歴史と伝統をしっかり守りつつも、現代の誰もが快適に過ごせる利便性を忘れない、見事な融合があるってことでさぁ。四方を囲む瑞々しい森や青い海、広い空を五感で目一杯感じながら湯に浸かれば、浮世のちっぽけな憂さや雑音なんて、真っ白な湯気の中に綺麗さっぱり忘れるってもんです。
自由爺としては、まずは白浜の美しい海辺の砂浜をぶらぶらとのんびり散歩した後、この高台の露天風呂へ移動してゆっくり湯に浸かる……そんな、五感で海を楽しむ「海湯(うみゆ)」と、目を楽しませる「湯風景」を合わせた、粋な楽しみ方を自信を持ってお勧めいたしやす。
湯から上がれば、鉄分や塩分を含んだ名湯のおかげで肌はしっとり潤い、心は羽毛のようにふわりと軽くなる。まさに、白浜という豊かな土地と歴史ある湯が作り出す、何物にも代えがたい極上の癒やしでござんした。皆さんも日々の小忙しさに少しばかりお疲れなら、南紀の心地よい風に吹かれに、ふらりと出かけてみてはどうでえ? きっと、お天道様と名湯が、優しく迎えてくれやすぜ。

ここにあるお話(養生草紙)は、すべてワシ個人の体験談やレビューや。お薬や治療の代わりになるもんやないからね。
体の調子がすぐれない時は、無理せんと専門のお医者さんの診断を仰ぐのが一番の養生や。自分の体を一番に大切にしてな。
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