養生草紙 第十七巻:開かれた門、明日への進軍

いやはや、今日は最高にめでたい日じゃ!

 朝の看護師さんの笑顔で気を良くしとったんじゃが、さらに嬉しい知らせが舞い込んできてな。なんと、あんなにワシを苦しめとった血糖値が、ついに合格ラインをクリアしたんじゃ 。まさに「待てば海路の日和あり」やな。

 先生からも「自由爺さん、いよいよ明日から抗がん剤と放射線の治療を始めていきましょう」と言葉をいただいた 。  「抗がん剤」「放射線」……その響きを聞くと、正直に言うて、指先が少し冷とうなるような緊張感はある。けれどものう、それ以上に「ようやく、ようやくスタートラインに立てるんや」という安堵感で胸がいっぱいになったわい 。一週間、ただただ数字に追われて足踏みしとった時間が、ようやく動き出したんじゃ。

 昼飯は、相変わらずの青いプラスチック器で味気ないもんじゃったが 、今日ばかりは「明日からの戦いに備えるガソリンや」と思うて、しっかり平らげてやったぞ。

 午後は時間ができたんで、朝の看護師さんが勧めてくれた通り、外へ散歩に出かけてきた 。  病院の庭をゆっくり歩きながら、外の空気を胸いっぱいに吸い込む。不思議なもんやな、さっきまでの緊張が嘘のように、気持ちがすーっと軽うなったんじゃ 。あの看護師さん、ワシの心が強張っとるのを、お見通しやったんかもしれんな。

明日はついに、本格的な戦いの火蓋が切って落とされる。  坊主にしたこの頭で、真っ直ぐに敵を見据えてくるわ。    ま、今夜は「よし、準備は整った」と自分に言い聞かせて、ぐっすり眠るとするかな。  皆も、物事が動き出す前の「静かな勇気」を、大事にしなされよ。

さて、明日はどんな一歩になりますかな。ボチボチ、気合を入れていきますか。

拙い話にお付き合いくださり、感謝の極みじゃ。
このバナーを押して応援してくれるのが、今のわしにとって一番の励みになりますわい

シニアライフランキング
シニアライフランキング